第3種旅行業は資本金300万円で開業できる?基準資産・保証金・ANTA加入を行政書士が解説
「第3種旅行業は資本金300万円あれば始められる?」「ANTAに入れば、開業費用を抑えられる?」旅行会社の設立を考えるとき、最初に整理したいのが資金の要件です。
第3種旅行業で求められるのは、原則として300万円以上の基準資産額です。資本金300万円の会社を設立するだけで、この要件を満たすとは限りません。保証金・分担金の控除や、会社設立後の支出も確認する必要があります。
この記事では、資本金と基準資産額の違い、協会加入の有無による資金計画、借入金の扱い、管理者資格まで解説します。大阪を拠点に、和歌山県・三重県などで旅行業登録を検討する方にも役立つ基本事項です。

資本金300万円と基準資産300万円は、どう違う?
資本金は会社の登記で確認できる金額です。一方、旅行業登録の基準資産額は、申請時の財産状況をもとに、旅行業法上の算定方法で確認します。
会社設立後に家賃や広告費などを支出して損失が出ても、登記上の資本金は同じままという場合があります。そのため、資本金の数字と、登録審査で確認する財産的基礎は分けて考えましょう。
基準資産額の計算では、資産から創業費その他の繰延資産、営業権、負債、不良債権などを除き、さらに営業保証金または弁済業務保証金分担金相当額を控除します。具体的な評価と提出資料は申請先の取扱いを確認してください。大阪府の旅行業登録手続き案内にも算定方法が掲載されています。
第3種旅行業の保証金・分担金と、必要資金の考え方
| 項目 | 旅行業協会の保証社員になる場合 | 協会に加入せず供託する場合 |
|---|---|---|
| 第3種の基準資産額 | 300万円以上 | 300万円以上 |
| 最低分担金・最低営業保証金 | 弁済業務保証金分担金60万円 | 営業保証金300万円 |
| 単純な計算上の出発点 | 300万円+60万円=360万円 | 300万円+300万円=600万円 |
360万円・600万円は「これだけ用意すれば開業できる」という総額ではありません。負債や除外対象の資産がなく、保証金等以外の支出もない単純なケースの計算上の出発点です。年間の旅行者との取引額等に応じて保証金・分担金は増えるため、事業計画に合わせて確認します。
例えば、現預金360万円、負債なし、除外対象なしの会社が、最低分担金60万円で保証社員になることが確実な場合、単純計算は360万円-60万円=300万円です。ここから費用を支出して財産が減ると、基準資産額が不足する可能性があります。分担金の納付前後で同じ金額を二重に控除しないよう、申請用資料の作り方も確認しましょう。
分担金の仕組みは、観光庁の旅行業法概要、第3種の最低分担金はANTAの入会案内で確認できます。
借入で現金を増やせば、基準資産額は足りる?
銀行借入や役員借入で現金を増やした場合、通常は同時に負債も増えます。例えば現金が100万円増え、借入金も100万円増えるなら、資産から負債を引く計算では原則として差し引きゼロです。
運転資金の確保と、基準資産額の不足解消は別の課題です。増資などを検討する場合も、支出予定・会社の財産状況・登録時点をまとめて確認し、登記や会計処理については必要に応じて司法書士・税理士等と連携します。
ANTA・JATAに入ると、何の負担が変わる?
旅行業協会の保証社員となる場合は、営業保証金の供託に代えて、その5分の1に相当する弁済業務保証金分担金を納付する仕組みがあります。協会加入は任意ですが、加入しただけで直ちに保証社員としての手続きが完了するわけではありません。
比較するときは、分担金に加えて、入会金・会費・支部で必要となる費用、審査の流れ、研修や利用したい事業支援を確認しましょう。ANTAとJATAのどちらが合うかは、国内・海外の取扱い、商品、事業規模によって変わります。
最新の入会条件は、ANTAの入会案内とJATAの正会員入会手続きをご確認ください。協会費用と当事務所の申請サポート報酬は別です。
会社設立前に分けておきたい、開業費用と運転資金
- 登録の財産要件:申請時に必要な基準資産額
- 保証制度の資金:営業保証金または弁済業務保証金分担金
- 手続きの費用:会社設立、登録申請手数料、協会入会金・会費、専門家への報酬
- 営業開始後の資金:事務所費、管理者の人件費、予約システム、広告、仕入先への支払等
資本金を決める前に、何をいつ支払うかを書き出すと、登録時の不足を見つけやすくなります。申請直前の残高だけでなく、登録までに支出する費用と、開業後の入金までの期間も見込みましょう。
当事務所へのご依頼費用は、最新の報酬表をご確認ください。ご依頼内容に応じてお見積りをご案内します。
第3種でできる業務と、国内旅行業務取扱管理者
必要資金が少ないという理由だけで登録区分を選ぶと、販売したい商品と業務範囲が合わない場合があります。第3種は手配旅行や受注型企画旅行等を取り扱えますが、国内募集型企画旅行の企画・実施には法令上の地域等の制限があります。自社で広域の国内ツアーを募集・実施したい場合は、第2種も検討します。
営業所で国内旅行だけを取り扱う場合は、国内または総合旅行業務取扱管理者試験の合格者を選任することが基本です。海外旅行を取り扱う営業所には総合の資格が必要です。「第3種だから国内資格で海外旅行も扱える」ということではありません。選任する管理者の勤務実態や兼任可否も確認しましょう。
登録区分と資格については、観光庁の旅行業法概要をご確認ください。
大阪・和歌山・三重で開業を進める順番
- 販売したい旅行商品を整理する:国内・海外、募集型・受注型・手配の別を確認
- 登録区分と営業所の所在地を決める
- 管理者資格・勤務体制と、事務所の使用条件を確認する
- 基準資産額を試算し、保証制度・協会加入を検討する
- 資本金と支払時期を決め、申請先の最新様式で書類を準備する
- 登録後に保証金等の手続き・届出を整え、営業開始の条件を確認する
第3種の申請先は、主たる営業所を管轄する都道府県です。大阪府の手続きは大阪府の登録申請・届出案内、県別の開業の流れは和歌山県で旅行業を開業するには・三重県で旅行業を開業するにはもご覧ください。
第3種旅行業の資金について、よくある質問
資本金300万円の会社をもう作りました。申請できますか?
まず申請時点の資産・負債・除外対象を確認します。登記上の資本金だけで判断できません。保証金・分担金相当額の控除後に300万円以上となるか試算し、不足する場合は資金計画の見直しを行います。
協会加入なら360万円あれば必ず足りますか?
必ず足りるとはいえません。360万円は最低分担金60万円を使った単純な計算例です。負債、設立・開業費用、協会費用、運転資金、取引額に応じた分担金を別途確認してください。
個人でも第3種旅行業を始められますか?
個人でも登録は可能です。ただし、法人のような資本金の登記がなくても、基準資産額、保証制度、管理者、営業所等の要件を満たす必要があります。
行政書士への依頼費用はどこで確認できますか?
当事務所の報酬表でご確認いただけます。県の申請手数料、保証金・分担金、協会費用などの実費は別途必要です。
資本金を決める前に、旅行業登録の資金計画をご相談ください
大阪うぐいす行政書士事務所では、旅行業登録の要件整理、申請書類の作成、協会入会手続きなどをサポートしています。これから会社を作る方も、すでに会社がある方も、予定する商品と現在の財産状況をもとに準備を進めましょう。
ご相談時は「営業所の予定地」「取り扱いたい商品」「管理者資格」「会社設立の有無」「現預金・負債と今後の支出予定」をお知らせいただくと、確認事項を整理しやすくなります。
旅行業登録サポートの詳細 / 報酬表 / 電話:06-4400-1758
制度情報は2026年10月5日確認。申請時には、管轄都道府県および各協会の最新の案内をご確認ください。
